黒灰造りと繭の糸引き


今年は寒さがいちだんと厳しいようで、京都でも南の少しは温かな地にある工房でも雪が散らついたり、凍てる朝もあります。

そうしたなか、紅花染の季がやってきて、毎朝、稲藁を竈で燃やして黒灰を造っています。これは紅花染には欠かせないもので、これを大きな桶につめて、そこに温湯を注いで2〜3日放置しておきます。そうすると灰の成分がとけて、天然の弱いアルカリ性の液が出来ます。それを漉して、あらかじめ黄色を流しさった (黄水洗) 紅花の花びらをこれで揉み込みますと赤い色素が流出してくるのです。

それと、今、工房の一角では繭の糸引きもしています。四国、愛媛県野村町から運ばれてきた、小さな特殊繭から糸引きをしています。

古い時代の錦を復元するための糸です。こうした仕事には丁寧さと時間、根気が必要であります。


カテゴリー: 工房の季節便り
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