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京都で私が桜と出会う場所はいくつかあって、ひとつひとつあげればきりがないが、まず東山を越えた山科の里からはじめることにしよう。 京都から東へと旅するとき、まずはじめに越える山が東山で、それをすぎたあたり、滋賀県との境にある音羽山、逢坂山のあいだは、山科の里という小さな盆地になっている。 北は比叡山から南へ下った如意ケ岳でさえぎられていて、その山際には 趣 のある寺院が幾つかある。 山科はいまは地下鉄東西線が開通し、JR東海道線と京阪電鉄京津線の駅と一体となっていて、あたりは人びとが気忙しく往来している。 その京津線の踏切を北へ渡ってすぐを線路沿いにいくと、北の山に沿った道が開ける。 |
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『諸羽神社』 背後に柳山があり、琵琶湖疏水を下がったところ、桜や紅葉の樹々に囲まれた、ひっそりとした神社である。祭神は天児屋根(あめのこやね)と天太玉命(あめのふとだま)の二神とするところから、両羽(もろは)大明神といったが、後に諸羽(もろは)に改めたと伝えられている。 |
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『安祥寺』 琵琶湖疏水を隔てた安祥寺山のふもとにある。仁明天皇の女御藤原順子により開山された平安時代の名刹である。広大な寺域であったが、平安時代末期には衰退し、応仁の乱によって荒廃した。 今の建物は江戸時代後期、宝暦年間に再建されたもの。 <終> |